PFP関西ワークショップ#22に参加してきました。

PFP関西ワークショップ#22に参加してきました。

今回は、テーマは新開発のAJTA法というアイデア出しツールを実践した
ワークショップです。

思いのほか、有効だなっと感じたので、ポイントをまとめておきます。


■PF事例紹介

前回のワークショップでやってみたペア・マインドマップを、kitanoさんが現場で
実践してみた事例を紹介されました。

ペア・マインドマップとは、説明をする人と、マインドマップを描く人をペアで分担します。
1人が説明をしている時は、もう1人が話の内容をマインドマップに描きます。

kitanoさんは、このペア・マインドマップを、現場で2人で打ち合わせを行う時に
実践されたとのこと。

ポイントは、

・意見を相手に描いてもらう事で、客観性が高まる。
・話のテーマや目的が真ん中に描かれているので、話がブレにくい。
・描くことで、記憶にも残りやすいし、結果も紙で残る。

との事ですが、話す側は集中して意見を言い、描く側は話を理解して紙に
描くので、2人の認識のズレを減らす効果もあるように思いました。

また、ペンを色々持ち替えながら描くと、相手がじれったく感じた。など、
失敗談もお話されていましたが、2人が共通の理解のもとに議論を進めていける
という場は、じれったいというデメリット以上のメリットがあるように
感じました。


■メインテーマ「アナログから学ぶプロジェクトファシリテーション

プロジェクトファシリテーションでは、
にこにこカレンダーや、バーンダウンチャートをはじめ、プラクティスには
アナログの方が高い効果を得られるものが多くあります。
今回は、ふだん身の回りで使っているアナログのツールを改めて考えなおし、
その良さを話し合います。


そして、今回のワークでは「アジャタ法」という新しいアイデア出しツールを
使います。

ルールはとっても簡単です。
(1)必要なものは、模造紙とプロッキー、ドットシール。
(2)最初、模造紙の真ん中に円を描き、その上にテーマを描きます。
  この円を「アジャタバスケット」と呼びます。
  今回のテーマは「アナログから学ぶプロジェクトファシリテーション」です。
(3)模造紙の端に、テーマに対する各自のアイデアや意見を絵で描きます。
  今回のテーマの場合、自分が現場でやっているアナログツールの絵を描きます。
(4)自己紹介がてら1人づつ、自分のアナログツールの簡単にしたのち、
  お互いのアナログツールの使い方や良いところについて議論します。
  議論をしている時は、ワールドカフェの要領で、自分の手元、もしくは
  相手の絵の近くに、キーワードなどをメモしていきます。
(5)議論の中で、「これは!」という意見やアイデアが出たら、
  「それ、アジャタボールだね!」っと照れずに言い、メモ書きに
  ドットシールを貼ります。
(6)最後に、出てきたアジャタボールをまとめて、真ん中のアジャタバスケットに
  書きます。1つでなくてもOKです。
  これを「アンカーボール」と呼びます。


ディスカッション後の模造紙は、こんな感じです。↓


実は、この「アジャタ法」は、PFP関西のスタッフで考えたもの。
外側からどんどんアイデアのボールを出して、真ん中のバスケットに入れる様が、
運動会などでよくやる「玉入れ」に似てる事から、競技玉入れのルールを定めた
“All Japan Tamaire Association” をインスパイアして名付けてみました。


ちなみに、“AJTA”で検索すると、
社団法人全日本テコンドー協会(All Japan Taekwondo Association)が
ヒットします。ご注意ください(笑)


さて、本題に戻って、
各チームから、アジャタで出てきたアイデア・意見の中から、アナログの効果について、
気になったものを列挙しておきます。

・感触の良さ。手になじむ。
・手軽さ
・(ノートなどの場合)書き心地が良い。
・身近な所にある。
  →使うためのハードルを下げる。
・持ち運びしやすい。(ポータブル性)
・全体を見渡せる。
・簡単にパッと見える。
・周囲の人の目に入る。
・値段的に安い。
・手間がかからない。
  →続けられる。
・手書きは感情も伝えられる。
・アナログはシグネチャが残る。
・一度に表示できる情報量は、アナログの方が多い。
・五感に訴えかける事が出来る。
・すぐ書ける。どこでも書ける。
・アナログは場所を選ばない。
・改造できる。
・想像力が広がる。
・物理・科学現象すべてを使える。
・世界の広さは、デジタル<アナログ。
・自由さ



■まとめ

あらためて、アナログツールの良さを再認識できる良い機会でした。
思いのほか、アナログの良さはたくさん見つかりました。
しかし、保存、検索のしやすさ、といったデジタルツールの方が優れている側面も
あります。機会があれば、アナログの良さを、どうやってデジタルツールに融合して
いくか? といった事も考えてみたいな〜っと思います。


そして、「アジャタ法」。
テーマに対して、少し深い議論をメンバーとするときには最適なツールに思います。
特に、最初に“絵”を描くというルールが、議論の盛り上がりを加速させてくれ、
バスケットが有ることで議論を収束させてくれる。
ディスカッションに慣れていないメンバーに対しても有効かと。
しかし、なにより、楽しく話ができるところが良かったです!

参加されたみなさま、ありがとうございました!